遷延性意識障害でもコミュニケーションできる

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遷延性意識障害の人とコミュニケーションをとれるようになりたい、みつわ です。
今回もよろしくどうぞ。

遷延性意識障害…

いわゆる植物状態ですね。

重度の意識障害が長く続いて、寝たきりの状態。

そういう人でもコミュニケーションをとって、
意思を汲み取ってもらいながら暮らしてる人がいます。

ぼくが実際にそんな子に出会った時、最初は半信半疑でした。

だって
見るからに視線が定まらないし、
表情も変わってるように見えない。
手足もピクつく程度しか動いてない。

試しに
「目つぶってみて」とか、
「手ギュッとしてみて」とか言っても、
どうにもハッキリした反応は得られない。

でも、お母さんは確信をもってコミュニケーションしてる。
ちなみに、そのお母さんは看護師さんで、遷延性意識障害を理解してる。

「痰の吸引しようか?」「まだいいん?そっか」、
「手の位置はココでいいん?」「オッケー」
みたいに。

ホント???
ホントみたい。

それまでは、
熱心さゆえにコミュニケーションとれてるように思い込んでるんだろうな…
なんて思ってたんです。
正直言って。

遷延性意識障害の人って、
きっかけが事故だったり、自殺未遂だったりの人で若い人が多い。
だから、家族は回復を特に強く望んでいて、熱心な人が多いんですよね。

そりゃあそうですよね。
元気で健康に暮らしてた自分の妻夫、兄弟、子供が
ある日突然、寝たきりになってしまったら…。
気持ちの整理なんかつかないですよね。
その内、元通りに治るんじゃ?
いつか良くなるんじゃ?って。
どっかでそんな思いがあって普通だと思いませんか?

だから、コニュニケーションがとれてるように思い込んでるって思ってたんです。

でも、この母子は明らかにコミュニケーションとれてる。

「どう反応をみてるんですか?」って思わずお母さんに聞いちゃいました。

はっきりとした言葉では答えてもらえませんでしたが、
視線やまばたきの不規則にみえる動きの中の規則性、
表情の極わずかな変化、
ヒュ~という呼吸音(気管切開からの音)の変化…
そんな所をみてるみたいなんですね。

そんな母子のコミュニケーションを見てたら、
しばらくして、なんとなくボクにも分かるような気がしてきたんです。

なんとも言語化できない、その時の雰囲気でしかありませんが。

でもちょっと考えてみて下さい。
例えがあんまりよくないかもしれませんケド、
犬とか猫とかとコミュニケーションとってる人って珍しくないですよね。
農家の人は牛とか豚とかヤギとかとコミュニケーションとってる…
動物園の飼育員さんは、象とかキリンとか馬とか鳥とかと…
水族館の飼育員さんは、イルカとかと…
むしろこういう人達にしたら当たり前で…
これって見慣れてる人にはわかるってことですよね。

で、このお母さん、顔をじっくり見てるんですね。
言葉をかけて、なにか反応があるはずだってジ〜っとみてる。

だから分かるんでしょうね。

それに対して、医療職の人って、
植物状態の人とコミュニケーションとれると思ってる人って
少ないと思うんです。

自分達はずっと接してるから、
自分達に分からないのに家族に分かるはずがないって思ってるフシがある
というか…

でも、実際の所、大した時間接してなくないですか?
業務中、5分もじっと顔を見る余裕、普通はないですよね。
そんなことしてたら「サッサと働きなさい!」って怒られてまいますよね。
残念ながらそれが医療の現実です。

そんな短時間しか接しない中じゃあ、わからないと思うんです。

だって、そもそも
意識障害のレベルって浮動的なもの
だって捉えるべきだと思うんです。
意識障害が軽度な人、高次脳機能障害の人をみてたらそうですよね。
比較的ハッキリしてる時もあれば、そうでない時もある。

だから、本当の意味で長い時間接してないと分からない事があるはずなんです。

だから、
まだコミュニケーションとれてるって思えてない家族には、
こう事を伝えるようにしてます。

むしろ家族の方が分かると思いますよって。

なにか反応してくれる時もあれば、そうでない時もあるのが普通ですよって。

表情がハッキリして見える時に
どんな反応をしてくれてるか見つけましょうって。

極論言えば、分かったつもりでもいいんですよって。

だって、そうじゃないですか。
植物そのものに愛情もって声かけする人もいますよね。
逆に、おしゃべりなオバちゃんが、
コミュニケーションとれてるつもりで一方的に人に話しして
満足してる事ありますよね。
伝わってる伝わってないは、どうでもいいっていうか。
コミュニケーションとってる気持ちとか実感が大切というか。

だから、
間違っても、家族に
「コミュニケーションはとれません」「能力は在りません」って
断言して欲しくないんです。

遷延性意識障害に対しての本ではありませんが、
こんな本もあります。
なにかの参考になれば。

ありがとうございました。
次回もよろしくどうぞ。

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