「自分が担当じゃなかった方が…」新人理学療法士の悩みに伝えたい事

悩める新人カテゴリーなし
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カテゴリーなし

自分が担当じゃなかった方が、患者さんはもっと良くなってたんじゃないかな。
申し訳ない… このまま理学療法士をつづけて良いのかな?

そんなふうに思い悩んでいるアナタへ、同じ悩みをもっていた者として、新人が入職するたびに同じ悩みを聴いてきた者として、お伝えしたい事があります。

そんなふうに悩むことが出来るアナタだからこそ、理学療法士をつづけて下さい。
患者さんのためにも。

なぜなら…

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「自分が担当じゃなかった方が…」は自然な悩み

自然な悩み
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今では理学療法士の管理職として偉そうに後輩へアドバイスをするボクですが、働きはじめて3年くらいは「自分が担当じゃなかった方が…」という悩みが頭をよぎっていました。
同僚にも同じ悩みを抱えながら働いている人がいました。
新人が入職してくるたびに同じ悩みを相談されつづけてきました。
理学療法士として働いてきて十数年、同僚、後輩で同じ悩みを抱えてた人はどのくらいいたでしょう…。
3割くらいの人からは直接、この悩みを聞いたんじゃないでしょうか。
直接聞いただけで3割ということは…
とにかく、それだけたくさんの理学療法士が「自分が担当じゃなかった方が…」と悩んできたということ。

悩むのもムリはありません。

だって、入職してしばらくは、知識はあってもみたことがないものばかりです。
実際に患者さんをみてはじめて、知識が現実と結びついてくる。
「痙性」は「筋緊張」亢進のひとつであって「ジャックナイフ現象」がみられるという知識はあっても、それがどんな感触なのか、動作にどんな影響を与えるのか、どうすれば対処できるのか等など知らないし、知っていてもピンとはきてない。
「痙性」のある患者さんをみてはじめて、「こういう抵抗感があるのか」「筋が硬くなるんだな」「持続伸長したら被動抵抗がなくなる…これがジャックナイフ現象か」「立ち上がる時に下腿三頭筋の痙性が支持活動を邪魔するのか」「でもしっかり荷重するように意識してもらえば抑制されて悪影響が出ないな」なんて風にわかってくる。
そして、また「痙性」のある別の患者さんをみてはじめて、「この患者さんは被動抵抗が強いな」「この患者さんの場合、荷重を意識してもらうくらいじゃ抑制しきれないな」「介助して荷重を誘導したらなんとか抑制できるな」なんて風に違いがわかり、判断できることも増えてくる。

一人として同じ患者さんはいないし、一人の患者さんでも日によって症状が微妙に違う。
患者さんをみればみる程、わかることがあって、判断できることも増えていく。

入職するまでに、いくら学校でみっちり勉強して、実習でみっちり鍛えられてきたといっても、実際にみてきた患者さんは数えられる程しかいません。
だから、先輩に「あの痙性は大変だ」と言われればそんな気がしてくるし、別の先輩に「あの痙性は大したことない」と言われてもそんな気がしてくる。
新人は2年3年の間は、大抵、そんな状態です。

そんなアナタに比べて、先輩はたくさんの患者さんをみてきています。
1人の理学療法士が担当を10人もっているとして、3ヶ月で退院して新しい患者さんが入るとすると…
1年先輩で40人の患者さんをみてきている。
2年先輩で80人、3年で120人、4年で160人、5年で200人…。
それだけの人数をみてきていて、しかも一人一人の患者さんの変化もみてきている。
経験とともに知識も深まり違いもわかるようになるから、患者さん一人から学べる知識も深まり、磨かれる技術も増えていきます。
するとさらに、みえるものが増えるし、精度も高まるし、変化への感度も鋭くなります。

それだけの経験の差があるんです。
「自分が担当じゃなかった方が…」というのはごく自然な考えです。
「患者さんはもっと良くなっていたはず」というのも、正直に言えば否定しにくいところです。

でも、その現実をしっかり受け止めた時、今のアナタに出来ることがハッキリしてくるはず。

今のアナタに出来ること…。

「自分が担当じゃなかった方が…」と思える環境にいる幸運

幸運な環境
Photo by Nick Abrams on Unsplash

「自分が担当じゃなかった方が…」と思えるということは、周りにはアナタより知識も経験も技術もある先輩がいるはず。
もしかしたら、熱意もある素晴らしい先輩がいるのかもしれません。

先輩が周りにいないんだとしたら思い悩む必要はないはずですよね?
だってアナタが担当するしかないですから。
アナタがしなければ、患者さんは寝かせきりです。
リハがなかった昔は、寝たきり状態になって褥瘡ができて痛みに苦しんで亡くなっていく、そんなことが巷に溢れていたといいます。
アナタがしなければ、それと同じになってしまいます。
他の理学療法士に担当してもらう選択肢なんてありません。
悩んでいる暇なんてものもありません!

話を戻しますが、「自分が担当じゃなかった方が…」と思わせるような先輩が周りにいるのって、幸運なことだと思いませんか?

アナタが求めさえすれば的確なアドバイスをくれるかもしれません。
気づいていなかった問題点を指摘してくれるかもしれません。
するべきアプローチを教えてくれるかもしれません。
しているアプローチを効果的にするコツを指導してくれるかもしれません。
患者さんのために考えておくべきことを気づかせてくれるかもしれません。

もしかしたら、アドバイスしてくれない先輩もいるかもしれません。
それでも、アナタは見て学ぶことができます。

似た症状の患者さんにどんなことをしているのか?
アナタがしているアプローチと似たようなことをしていれば、どんな声掛けをし、どんな触れ方をしているのか?
先輩がつくった書類からも、何か”盗める”ものがあるでしょう。

今のアナタができること… それは先輩から学ぶことです。

先輩から学んで実践しましょう。

「自分が担当じゃなかった方が…」と思えるアナタこそ理学療法士であるべき

頑張れるアナタ
Photo by Tim Gouw on Unsplash

「自分が担当じゃなかった方が…」と思えるアナタだからこそ理学療法士であるべきです。

想像してみて下さい。
もしアナタが「自分が担当じゃなかった方が…」と打ちひしがれて理学療法士を辞めたとすると…

担当していた患者さんは、たしかに先輩が担当してくれるかもしれません。
でも、担当が増えた先輩は、患者さん一人あたりに費やせる時間が減ってしまいます。
先輩は、それでもそれなりの成果に結びつけるかもしれません。
でも、もしアナタが先輩から学んで一生懸命リハをした場合と比べたらどうでしょう?

忙しくバタバタしている先輩。
患者さんの話に耳を傾ける時間も、じっくり考察する時間もない先輩。
熱意と時間を注げるアナタ。
患者さんの弱音を傾聴できるアナタ。
わからないことがあれば文献を調べて先輩にアドバイスを求めるアナタ。
写真や動画を撮ってじっくり分析し、いろんな先輩に意見を求めるアナタ。

アナタがそうやって患者さんへ注ぐエネルギーが、患者さんの意欲を触発することでしょう。
この現象は、頼りないけど一生懸命な新人にしか起きないのです…不思議ですが。
患者さん自身の意欲に勝るものはありません。
それによって、ベテランが驚くほどに良くなる患者さんもいます。
知識・経験・技術を補って余りある、新人ならではの強みですね。

視点を変えてみましょう。

もしアナタが辞めたら、その後、代わりの新人が入職してくるでしょう。
代わりに来た新人は、アナタと同じように悩むでしょう… 3割以上の新人は悩むはず。
アナタが頑張って積み上げてきた数ヶ月を、その新人はまたイチから積み上げることになります。
そして、またアナタと同じように悩んで辞めてしまったら…
また新人が入職してイチからやり直し。

そのうち「自分が担当じゃなかった方が…」と悩まない新人がくるかもしれません。
その新人は、アナタより患者さんのために力を尽くせるでしょうか?
これまでみてきた「自分が担当じゃなかった方が…」と悩む後輩たちは、真面目で、患者さんのために頑張れる人たちでした。
患者さんの立場で考えられるからこそ、悩んでいました。

患者さんのために頑張れる、熱意と時間を注げるアナタこそ、理学療法士であるべきじゃないでしょうか?
患者さんのためにも。

まとめ

アナタこそ理学療法士
Photo by Ryan Snaadt on Unsplash

「自分が担当じゃなかった方が…」と悩むのはアナタだけではありません。
多くの先輩たちも同じ悩みを抱えてきました。
経験してきた患者さんが数えられるくらいしかいないんですから、ムリもありません。
その悩みはごく自然なものです。

むしろ「自分が担当じゃなかった方が…」と思える環境、そこにいる幸運に目を向けてみましょう。
自分より優れた先輩が周りにいる幸運。
確かにアナタは、知識も経験も技術も先輩たちに手が届かないかもしれません。
でもアナタは、優れた先輩たちの知識・経験・技術を、担当患者さんのために”利用”する手立てをもっています。

「自分が担当じゃなかった方が…」と思えるアナタは、患者さんのために頑張れる人です。
患者さんのために頑張れる、熱意と時間を注げるアナタこそ、理学療法士であるべきじゃないでしょうか?
そんなアナタを先輩も患者さんも応援してくれるでしょう。

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