義肢装具士さんを理解して良い装具をつくろう

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装具をつくる場面に10年以上同席してきて、
いろんな患者さん、いろんなPT、4~5人の義肢装具士さんの
仕事をみてきました。
みつわ です。
今回もよろしくどうぞ。

義肢装具士さんがどんな人たちなのか、気にしたことありますか?

装具をつくる人…
まぁその通りです…
ただ今回、伝えたいのはそういうことではなくって…

病院に来てる装具士さんが装具をつくってるんでしょうか?
装具士さんに「コレコレこんな装具をつくって下さい」って言ったら、
こっちが思ってるような装具をつくってくれるのが当たり前なんでしょうか?
逆に、思ってるような装具をつくってきてくれない装具士さんがダメなんでしょうか?
…といったこと。

若かりし頃、
ボクは、どの装具士さんも同じように装具をつくれるもんだと
どこか思ってたフシがありました。
どの装具士さんも、装具について質問したら、正解を答えてくれるもんだと
どこか思ってたフシもありました。

そんなことある訳ないですよね。

そんな風に思ってたアホな僕が学んだ
装具士さんはどんな人たちか?についてココでお伝えして、
装具士さんと一緒に良い装具をつくるのに参考にしてもらえたら嬉しいです。

最初にまず、ごくごく当たり前のことから。

装具士さんにも得意なこと苦手なことがあります… 当たり前ですよね。
つくるの自体が得意な人、
患者さんの動作分析・評価が得意な人、
意見を伝えるのが得意な人、
人の意見を汲み取るのが得意な人、
補助の制度に詳しくて役所なんかとのやり取りが得意な人。

装具士さんにも趣味嗜好、特徴があります… 当たり前ですよね。
仕事が好きな人、
勉強しまくってる人、
細部にこだわってつくる人、
シンプルな装具が好きな人、
新しくて先端的な装具が好きな人、
挑戦的に装具を選びたい人、
独創的に考える人、
無難な装具を選びたい人、
役所への申請方法などアフターフォローが丁寧な人。

ボクたち理学療法士も同じですよね。
そういう人もいれば、そうでない人もいる。

そんな義肢装具士さんの人間的な部分をみて
得意なところを頼って、
苦手なところを補って、
一緒に装具をつくれたら良いなぁと思います。

次に、
義肢装具士の働き方というか仕事の形について。

ボクは最初、病院にきて話し合っている装具士さんが
装具をつくってくれてるもんだと思ってました。

実は、装具をつくる人は別にいるんです。

病院に来る人と、つくる人とが役割分担されている
そんな会社がどうも一般的みたいですね。

だから、
装具を仮合わせしたときに、
「アーチサポートをつけましょう」とか
「つま先を少し背屈角度つけたら歩きやすいですね」とか
「下腿のベルトは通常の反対から引っ張る形の方がやりやすそうですよね」とか
合意してたはずのものが、
完成のとき、そうなってないなんてことも…
もちろん、修正はお願いしますけど。

単純ミスといってしまえばそうなんですが…
病院に来る人と、つくる人が違うと、
内容を伝える時に、情報が漏れたり変わったりしてしまう。
これは伝言ゲームが、ゲームとして成立する所以ですよね。

それにどうしても細かいところは伝えきれない…

その差は次のような所にでてきてるように見えます。

病院に来るのも作るのも両方してる装具士さんのつくった装具は、
患者さんの足にキレイにフィットしてる。
脚と装具の間にある必要な隙間が均一で、
どことなくキレイに見える。

そりゃあ、
実際に患者さんの脚を見てるのと見てないのとでは
差がでるでしょう。
脚といっても人それぞれ形が違いますから。

じゃあ、どうしたら良いか?
文句を言ってても仕方ありません。
できる最善の策をかんがえましょう。

ひとりの装具士さんが、病院に来るのも作るのも両方する形の会社を探す…
残念ながら、こういう仕事の形態は少数派のようです。
それに現場のイチ職員では勝手に出入りの業者さんを決められません。

話し合って決めた要点をしっかりメモを取ってもらう。
もしくは、こっちがメモして「じゃあこういう形でお願いしますね」と渡してもいいかもしれません。

脚の写真を撮って渡す。
装具をつけた写真を撮って渡す。
そんなことができれば良いかもしれませんね。

装具士さんは装具についてのプロです。
装具の機能とか仕様、補助などの制度、最新の装具の情報なんかはお任せしましょう。
もし万が一頼りない装具士さんなら、
「最近、こんな装具がよく作られてるって聞いてるんですけど、また教えて下さい」
みたいにして勉強してきてもらっちゃいましょう。

理学療法士は担当の患者さんについてのプロです。
患者さんがどういう経過をたどって今どういう状態にあるのか、どういう目的で装具をつくるのか、どういう背景があってどういう装具の使い方をしそうなのか等など、しっかり伝えましょう。

そうそう、ひとつ付け加えると、
装具士さんの中には、時々、動作観察にすごく力を入れている人がいますが、
動作観察・分析を一緒にするときに「理学療法士の自分がプロだ!」なんて
張り合うような態度はやめましょう。

装具士さんは装具をつけてる色んな人を長期にわたってみてきてます。
毎日のように装具をつけてる人をみてますし、
装具をつけて数年経った人もみてます。
修理にも関わったり、2つ目・3つ目と作り直すこともあるわけですから。

理学療法士はそれに比べて少ないし、期間が短い。
病院勤務なら、入院中のごく短期間しかみる機会がないし、
介護保険分野勤務なら、装具をつけてる人数がごく限られてる。

経験の違いがそこにはあるわけです。

貴重な意見ですから、
装具士さんにはどう見えてるのか、どう考えてるのかを聞いて、
意見交換して、一緒に良い装具をつくりたいですね。

追記

仮合わせの時に修正をお願いすることがあるかと思います。
その時、気を付けなければいけないのは
一つの装具をつくるのにコストがかかってるということ。
装具士さんの人件費だけじゃなく、材料を消費するコストが発生してるということです。

例えば、
シューホーンは樹脂のシートを一枚丸々使います。
修正の内容によっては、仮合わせの装具を作ったそのシートが
1枚まるまる無駄になるわけです。
修正の内容次第でコストが 2 倍ちかく違うわけです。

理学療法士の仕事はほぼ自分の人件費だけなので、
その辺の理解がどうしても薄い人がいます。

必要な修正ならするべきですが、
時々、「そこまで修正をお願いする必要ある?」と
首をかしげたくなる場面もみかけます。

装具士さんの利益も考えないと良い関係は築けません。
良い関係が築けないと良い意見交換はできません。

今回もありがとうございました。
是非コメント下さい。
全部読んで、カユイところに手が届く記事を書いていきますんで。
次回もよろしくどうぞ。

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